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ルルルルズ 3rd album「僕らの生まれた町」発売記念

スペシャル対談 ① ルルルルズ x 中村公輔<第1回>

2019.9.21

3rdアルバムのレコーディングを担当したエンジニアの中村公輔氏と、ルルルルズメンバー奥野大樹が、レコーディングとミックスに関する秘密を語る…?
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−中村さんが初めてルルルルズのミックスを行ったのは、2015年に発表されたNew Action!のコンピレーションアルバムでしたが、改めてルルルルズについての印象をお聞かせください。

中村:印象としてはそうだね、とにかく生録りが多いバンドだっていうのはあるね。(笑)

奥野:そうですね。(笑)

中村:普通だったら、管とか弦とかは打ち込みで全部入れちゃいましょう、って話になるところを、全員呼んでやりましょうみたいな。今はね、なかなか全部生演奏でやるのは難しいじゃないですか。結構大きめなレコーディングでも人を呼んで録るのは、予算の都合とかもあって難しいっていうところを、プレイヤーを楽器ごとに呼んで全部録るっていう方向に進んでったから、それがだいぶ珍しいなって、思った記憶がありますね。

奥野:確かに。ここ(スタジオ)にスチールパン入れましたもんね。

中村:そうだよね。

奥野:スチールパンをスタジオで録れるっていうのは、人生で一度二度ないことだろうなって。2ndの時から生録りは多かったですよね。

−前作の発表から2年ほど経過していますが、改めてどのような内容になっているのかをお聞かせください。

奥野:前作を録った時に、フォーキーな生楽器のサウンドを自分でも意識するようになりました。デモの段階ではいくつかの楽器はシンセにしてしまおうと考えていたんですよ、それこそスチールパンとか。生で録るのは難しいって考えていたんで。

 でも中村さんと一緒に作業させてもらうようになって、生楽器をそのままのいい音で抑えてもらえて、的確にミックスしてもらえるので、「中村さんとだったら、もうちょっとフォーキーなサウンドを追求できるかな」って思ったところが出発点です。今作は楽器を結構重ねましたね。

 前作はミニマルにスピーディーに作った感じではあるんで、サウンド的な違いは大きいと思います。

−中村さんはいかがですか。

中村:2ndの時は割とビンテージっぽい音色にして行こうって思惑をメンバーから伝えられて、僕もそこを意識して作業しました。

 例えばカーペンターズみたいな70年代っぽいサウンドを録るために、当時の録り方で、楽器のレンジ感もビンテージを感じさせるような音色にしよう、って言う風にやってたんですよ。ボーカルの録り方も、リバーブで反射音を作らずに、ボーカルブースのガラスの方を向いてもらって、生の反射音を録音したりとかね。そのやり方では納得のいく結果を出したから、次の3rdで何をやろうか、前と同じことをしてもあんまり面白くないよね?と。

 それで、ルルルルズは現代のバンドなので、いまやっているという意味を考えて、ちょっと新しいサウンドにしていこう。最新のテクノロジーを使って、「現代のフォーキーってのはどういうことなのか」を考え直そうって。古い音色に脚色して懐古的なサウンドを作るのも、現代を生きてるから出来ることではあるけど、それは前回やったから、今回は70年代に生きていた人達が当時製作していた時の気持ちに立ち返ると言うか。その頃のミュージシャンは70年代風のサウンドを作ろうなんて考えていたはず無いわけで、当時の最新、一番良い音を目指してたはずなんだよね。それで、彼らが2019年にワープして、最新の機材が目の前にある、そんなところから作り出すサウンドを目指してみようって方向性が決まって、今回は動き出した感じだよね。

奥野:それは境目ありましたよね。

中村:うん。

−具体的にはどのような点ですか?

奥野:最初に一曲目をミックスする時、古い方のサウンドにも新しい方のサウンドにも運べたんだけど、そこで新しい方を選んだことによって、3rdアルバムができたっていう手応えがあります。古い方のサウンドを選ばなかったことで、逆に面白い作品になったと思ってますね。

中村:初日はミックスしてなかったね。(笑)

奥野:してなかった。(笑)

中村:初日にどういった方向でミックスをやろうかって話をして、最新の生音主体の音楽を聴きまくって、どういう方向性にするかっていうのを話し合っているうちに終わっちゃったね。

奥野:そうですね。(笑) 一曲目のリズム隊の音色を決めたくらいで、ほとんどなにも。音選びというか、音楽の作り方を考えるのにすごく時間を使ったんで。

 本当に最近になって音楽の聴かれ方とか、作り方とかが大きく変わってるし、その中で昔の音楽をルーツとしてやってるってことを、どのように表現するかっていうのは、すごく難しいところだと思うんですよ、未だに答えはわからないし。ただ今回出来たことは次につながる意味のあることだったなって思いますね。成功したと思います。

−そうすると、やはり今回注目してもらいたいところは、ミックスに関してや、古いものをブラッシュアップするっていう方向でミックスを取り入れたという点など、そういったところですか?

奥野:そうですね。まあそもそもメンバーみんなが割とフォーキーなものが好きだっていうことが根底にあるんですけど、70年代のことをやろうとした時に、理解できないこともあれば、矛盾も生まれてくるので。

 仮に70年代のサウンドを追求して完璧にやったとしても、面白いものができるかっていうと、そこじゃないなとは思っていて、結局古い音楽はあくまでソースなだけであって、それを受け取って現代の音楽を表現したいということが自分の中にあります。

 今回3rd作ったことにによって、昔の音楽を自分の中に吸収して、どういったサウンドを作るか、という回路はちょっと見えてきたような感じはしていて。次もそういった魅せ方をもっと追求できればいいのかなって思っています。そのあたりは結構マニアックな話なんですけど、聴く側からすると違和感を覚える人もいれば、面白いって感じる人もいるだろうし、分かれ目だと思いますが、やりたいことはできたかなっていう感じはしてます。

中村:古いものをやろうとして、当時のものに似せていこうとするとありがちなのが、当時のものを100%の箱の大きさとすると、その中に入って作品を作るので、それよりも小さいものしかできないんですよね。そうなると「これが好きな人が好きなやつだよね」っていう作品になってしまう。当時、普通のポップスとされていたものを目指して作品を作っているんだけれども、それが好きな人向けのニッチなサウンドになってしまう。

 そういうことではなくて、普遍的なポップスのサウンドを聴かせたいといった、核になる部分は同じ気持ちでやってるけど、それをもっと広げていって、自分たちが好きな70年代のミュージシャンが考えていたようなことを今やろうみたいな、そういう方向でもう一回やり直そう、みたいな感じで進めたということですね。

奥野:そうですね。まさにそんな感じんですね。まあ結局、上辺の技術とか、楽器の音とかじゃなくてマインドですよね、大事なのは。当時の人たちが今生きてたら何をしているか。まあそういうことだけでもないんだけれど。音楽を作る時の精神性というか、とういうところをある意味で踏襲していきたい感じはありますね。

第2回に続く>

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